Clásicos japoneses con furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lee 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 101.908 caracteres · 204 pantallas
という意味のことをいった。房枝は、よろこんでそれをもらった。
「房枝さん、じつは、まだ、いろいろお話をいたしたいこともございますけれど、御病気にさわるといけませんから、今日はこれでしつれいさせていただきますわ。そのかわり、また伺ってもようございますわね」
と、道子夫人は、房枝に約束をもとめるようにいった。
房枝は、そのへんじをするのがたいへんくるしかった。
「いいえ、こんな場所は、奥様などのたびたびおいでになるところではございません。また、どんなまちがいがあるかもしれませんし、もうどうか、けっしておはこびになりませんように」
房枝は、血を吐く思いでそれをいった。今夜の呼出し事件がなかったら、この日房枝は、道子夫人の膝にとりすがって、思うぞんぶん泣いてみたくてしかたがなかった。それはなぜだか、理由のところは房枝にもよくわからなかったが。しかし、もうそんなねがいは夢となった。あくまで冷酷にせまってくる現実とたたかわねばならないのだ。夫人を慕えばこそ、今は夫人にふたたびいらっしゃらないようにと、いわなければならなかった。そう強くいって、房枝はかろうじて、わっと泣きたいのをこらえていた。