Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lee 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 111.430 caracteres · 226 pantallas
一年経って、また冬が来ると、わたしらも寒さ馴れがして、そう寒いとは思わなくなった。ふしぎなもんですよ」
教育は左雲の城外で行われた。城外は砂漠で、砂粒は黄粉みたいにこまかい。軍靴がそれにめり込む。固い土と違ってキックがきかないので、かけ足をするにしても、歩幅一メートルのところが、五十センチぐらいで留まる。城介はかけ足がにが手であった。また小銃を捧げての匍匐前進。これは肱が砂にめり込んで、進行しにくい。加納も下手だったが、城介もそれに輪をかけて下手であった。匍匐前進をやった後は、黄砂がどこからともなくしみこんで、胸や腹の皮膚を黄色にした。
演習がすむと、また列をつくって、城内に戻って来る。城壁の中は夕暮れで、街には物売りや客が群れている。大道に板を敷き、野菜や肉や日用品を売るのだ。そのかしましい声の意味は、加納たちは理解出来ないが、生活の匂いをたたえていることで、強い郷愁を感じさせた。
「その教育期間に、わたしもずいぶん殴られたが、城介君はひどく殴られたね。ことに仁木という上等兵に眼をつけられて、ことごとにいじめられた。やはり彼は足が遅いし、器用な方じゃなかったからね」