Clásicos japoneses con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lee 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 111.430 caracteres · 226 pantallas
「ここは僕たちの家だ。僕たちの家のことは、僕たちがやる」
少しこちらも言過ぎだったし、短慮だったと、今にして栄介は思う。しかし幸太郎も横柄過ぎた。と言うより、世話を焼き過ぎた。幸太郎にとっては、葬儀の手続きひとつも出来ない遺家族を、見るに見かねたのだろうし、自分は本家だから世話をするのは当然だとの気持もあったのだろう。しかし栄介たちの無能さを通夜の話題にして、城介を引合いに出したのはまずかった。幸太郎は育ちが育ちで、他人の感情を重んじる習慣がほとんどなかったのだ。
「第一城介の名を出すなんて、不謹慎じゃないですか」
「城介の名を出して、何が悪い」
意外な、という表情で、幸太郎は言い返した。
「城介は商売柄、こんなことはうまくやるだろうと言ったまでだ」
幸太郎は近頃また肥って、皮膚もあぶらぎっていた。酒がはいっているせいもあって、額や頬だけでなく、首のつけ根のコブも、つやつやと光っていた。福次郎の死貌が頬がこけているのと、正反対である。
「お前たちには、何も出来ないじゃないか」
帰郷して親不孝者と言われて以来、栄介の悲しみはしだいに隠微な怒りに変りつつあった。