Clásicos japoneses con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lee 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 185.496 caracteres · 368 pantallas
大旗本などのお部屋様――上品ではあるが色気もたっぷり……と云ったような着つけをしていた。
「まあまあこれは松浦様、どうした風の吹きまわしか、こんな妾のところへなど。……でもようこそ……ほんにようこそ」
坐りもしないうちからこう云って、どんな鉄腸の男であろうと、トロリとさせるような妖艶の笑いを、惜し気もなく豊麗な顔に湛え、ムーッとするような凄い色気を、腰のあたりの蜒りに見せ、さてそれからヤンワリと、民弥に近々と寄って坐った。
そうして民弥が時候の挨拶から、来訪した理由を真面目の調子で、少しばかりコワ張って云い出したのを抑え、
「まあよいではございませんか。……平几帳面のご挨拶は、知らない仲じゃアあるまいし、抜きといたそうではございませんか。……ホッホッホッいつお目にかかっても、あなた様にはお美しく……いいえ冴え冴えとしたご様子で、結構様にございます」
――ここでグラリと肉附きのよい躯を、左の方へ蜒らせて、腰のつがいの軟かさを示し、眼を細くしてウットリ閑と、民弥の顔に見入りかけたが、ハッと気がついて少し赧くなり、
「今日もどうやら蒸し暑く、厭なお天気でございますねえ」