Clásicos japoneses con furigana
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ごくちゅうせいかつ
獄中生活
堺 利彦
Lee 獄中生活 (ごくちゅうせいかつ) de 堺 利彦 (さかいとしひこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.443 caracteres · 31 pantallas
何にせよ味の悪いことは無類で、最初はほとんど呑み下すことが出来なんだ。菜は朝が味噌汁といえば別に不足はないはずだが、その味噌汁たるや、あだかもそこらの溝のドブ泥をすくうて来たようなもので、そのまた木槽たるや、あだかも柄のぬけた古柄杓のようなもので、その縁には汁の実の昆布や菜の葉が引かかっているところなど、初めはずいぶん汚なく感じた。次の夕飯の菜は沢庵に胡麻塩、これはなかなかサッパリしてよい。時々は味噌菜もある。唐辛子など摺りこんで、これも案外うまくこしらえてある。昼が一番御馳走で毎日変っている。まず日曜が豆腐汁、それから油揚と菜、大根の切干、そら豆、うずら豆、馬肉、豚肉など大がい献立がきまっている。豚肉などといえば結構に聞ゆれど、実のところは菜か切干かの上に小さな肉の切が三つばかり乗っているまでのことだ。それでも豚だ豚だとみなが大喜びをする。昼の菜の中で予輩の一番閉口したのは、輪切大根と菜葉とのときで「ヤァ今日は輪大か」と嘆息するのが常であった。飲むものはヌルイ湯ばかり。
聞くところによれば、この三度の菜の代が、今年の初めまでは平均一銭七厘であったが、戦争の開始以後は五厘を減じて一銭二厘となったとのこと。