Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

Lee 現代忍術伝 (げんだいにんじゅつでん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 76.446 caracteres · 155 pantallas

Aozora Bunko

「それは、仰有る通りです」

「天草商事の悪者たち、二千万どころか、二千円だって、支払うものですか。泥棒ですもの」

「まさに御説の通りですとも。それゆえ、雄心ボツボツ。支払う筈のない旦那方に、必ずや支払わせてみせるというタノシミが生れてくるのですな」

「そんなの、ヤセ我慢の屁理窟よ。悪者をこらしめるのは結構ですけど、こらしめるだけでタクサンだわ。お金もうけをそれに結びつけるなんて、卑怯な考え方よ。たぶん、高利貸の思想よ」

「なるほど」

「あなたは、もっと、立派な方です。正しい方法で、成功できるお方なのよ。同じ努力ではありませんか。ギャングのスリルを愛すなんて、よこしまな人生よ」

リンリンとせまるツル子の気魄。その瞳にするどく光り閃くものは、怒りでも、恨みでもない。乙女の祈りが切々として燃え閃いているのだ。

ツル子の高貴な魂がサルトルの胸にくいこんでくる。彼女の四辺には冷めたく冴えた香気があふれているようだ。このサルトルは虚無党でもなく、木石でもない。一目見たときから心を惹かれ、知れば知るほど香気あふるる品位の高さに、目をみはり、心をうたれているサルトル、さすがにツル子の眼力たがわず、ホンゼンとして正道に立ちかえる大勇猛心は多分にもっている。