Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

Lee 現代忍術伝 (げんだいにんじゅつでん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 76.446 caracteres · 155 pantallas

Aozora Bunko

マニ妙光。マニ妙光」

という祈りの声がひときわ高くなる。才蔵や半平たちも、それに合わせて、祈り声を高くする。

ピュッと何かを切った音がした。

「お立ちッ」

神の使者がバッタリ坐った様子である。祈り声もハタと杜絶えた。正宗菊松は、怖しさに、頭をあげることができなかった。

「お父さん、お父さん」

半平のさゝやきがきこえる。

「もう、いゝよ。こっちへ来て、お坐り」

菊松は怖る怖る頭をあげた。一同は顔をあげて坐っている。衆人環視の中で夢からさめたようである。彼は神の使者に両手をつかんでひきずり出されたので、列をはなれて、部屋の中ほどに妙な方角を向いていた。

「お父さん」

ツル子がツと立って、チリ紙をだして洟をかませた。彼はそれを羞しがる余裕もなかった。ツル子に手をひかれて、自分の席へもどり、敬しく神の使者に一礼した。

廊下をふむ音が鈴の音にまじって湧き起った。ピタリと戸口でとまると、

「ミソギイ」

という女の声がきこえた。護衛の若者がハッと立ち、杉戸の左右に立って、同時にサッと戸をひらく。とたんにパッと白衣に朱の袴のミコが三名、神楽のリズムに合わせるような足どりで、踊りこんだ。