Clásicos japoneses con furigana
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うりのなみだ
瓜の涙
泉 鏡花
Lee 瓜の涙 (うりのなみだ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.247 caracteres · 21 pantallas
と優しい声を聞いて、はっとした途端に、真上なる山懐から、頭へ浴びせて、大きな声で、
「何か、用か。」と喚いた。
「失礼!」
と言う、頸首を、空から天狗に引掴まるる心地がして、
「通道ではなかったんですか、失礼しました、失礼でした。」
――それからは……寺までも行き得ない。
五
人は何とも言わば言え……
で渠に取っては、花のその一里が、所謂、雲井桜の仙境であった。たとえば大空なる紅の霞に乗って、あまつさえその美しいぬしを視たのであるから。
町を行くにも、気の怯けるまで、郷里にうらぶれた渠が身に、――誰も知るまい、――ただ一人、秘密の境を探り得たのは、潜に大なる誇りであった。
が、ものの本の中に、同じような場面を読み、絵の面に、そうした色彩に対しても、自から面の赤うなる年紀である。
祖母の傍でも、小さな弟と一所でも、胸に思うのも憚られる。……寝て一人の時さえ、夜着の袖を被らなければ、心に描くのが後暗い。……
――それを、この機会に、並木の松蔭に取出でて、深秘なるあが仏を、人待石に、密に据えようとしたのである。
成りたけ、人勢に遠ざかって、茶店に離れたのに不思議はあるまい。