Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しんようどうき
申陽洞記
田中 貢太郎
Lee 申陽洞記 (しんようどうき) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 5175 caracteres · 11 pantallas
矢は妖怪の一方の臂に当った。と、おそろしい混乱がそこに起って、紅燈が消えてしまった。李生は二本目の矢をつがえて下の方へ注意していたが、真暗で何も見えないけれども、もう四辺がひっそりして妖怪もいそうにないので、矢を著けた妖怪は朝になって探すことにして、下へおりて仮睡に就いた。
朝になった。冷たい霧が朝風に吹かれて切れ切れになって飛んで往った。李生は起きて神座の辺に注意した。たまっている朽葉の上に赤黒い血の滴点があった。李生はその血の滴点をつけて廟を出た。血の滴点は山の南の畝りに沿うて著いていた。
五里ぐらいも往ったところで、大きな穴があった。深い深い底の見えない穴の口に、出たばかりの朝陽があたっていた。血の滴点はその穴まで往って消えていた。李生はその穴を覗き込んだ。そして、その後で後ろの方を見返った。足をやっていた土が崩れて、彼は穴の中へ陥ちてしまった。
李生は意識がめぐってきた。彼はまず自分の体がどこにあるかということを考えてみた。自分は仰向けになって、固いごつごつした石の上に横たわっている。それでは自分はべつにたいして体も痛めずに、あの穴の底へ陥ち込んだものだと思った。