Clásicos japoneses con furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas
「祖父は武士で、別に迷信家というのでもなかったらしいが、元来が江戸時代の人間で、あまり果物――その頃の人は水菓子といって、おもに子供の食う物になっていたらしい。そんなわけで、平生から果物を好まなかった関係上、かの伝説は別としても、ほとんど西瓜などは食わなかった。祖母も食わなかった。それが伝説的の迷信と結びついて、僕の父も母も自然に食わないようになった。柿や蜜柑やバナナは食っても、西瓜だけは食わない。平気で食うのは僕ばかりだ。それでもここで食うと、家の者になんだかいやな顔をされるから、ここにいる時はなるべく遠慮しているが、君も知っている通り、東京に出ている時には委細構わずに食ったよ。氷に冷やした西瓜はまったく旨いからね。」
かれはあくまで平気で笑っていた。わたしも釣り込まれて微笑した。
「そこで、君の家は別として、その以前に住んでいた人たちが西瓜を食ってみんな死んだというのは、本当のことだろうか。」
「さあ、僕も確かには知らないが、ここらの人の話ではまず本当だということだね。」と、倉沢は笑った。「たといそれが事実であったとしても、西瓜を食うと祟られるという一種の神経作用か、さもなくば不思議の暗合だよ。