Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lee 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.507 caracteres · 291 pantallas

Aozora Bunko

」

「そりゃ不思議に相違ないんですが……。それはあなた方の誤解ですよ。あの鰻は最初からお土産にするつもりで拵えたのじゃあない、われわれの食う分が自然に残って、おみやげになったんですから……。わたしは始終一緒にいましたけれど、山岸さんが毒なぞを入れたような形跡は決してありません。それはわたしが確かに保証します。鰻がひと晩のうちにどうかして腐敗したのか、あるいは猫が他の物に中毒したのか、いずれにしても山岸さんや私には全然無関係の出来事ですよ。」

わたしは熱心に弁解しましたが、伊佐子さんはまだ疑っているような顔をして、成程そうかとも言わないばかりか、いつまでもいやな顔をして睨んでいるので、わたしは甚だしい不快を感じました。

「あなたはどうしてそんなに山岸さんを疑うんですか。単に猫が死んだというだけのことですか、それともほかに理由があるんですか。」と、わたしは詰問するように訊きました。

「ほかに理由がないでもありません。」

「どんな理由ですか。」

「あなたには言われません。」と、伊佐子さんはきっぱりと答えました。余計なことを詮議するなというような態度です。

わたしはいよいよむっとしましたが、俄かにヒステリーになったような伊佐子さんを相手にして、議論をするのも無駄なことだと思い返して、黙ってわきを向いてしまいました。