Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しらねのふもと
白峰の麓
大下 藤次郎
Lee 白峰の麓 (しらねのふもと) de 大下 藤次郎 (おおしたとうじろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.238 caracteres · 45 pantallas
もし道の半ばにして、あの上の大きな石の一つが動いたなら、そのままこの早川渓の鬼とならねばならぬ。
君子は危うきに近よらずという。私はここから引返そうと思った。虎穴に入らずんば虎児を得ずという。私は前へ進もうと思った。そして奈良田にゆけば雪の山が見えよう。雪の山を見たいという私の欲望は、終にこの危うき道を、三斗の冷汗を流しながらも通過さしたのである。
幸いに事なく過ぎて私は顧みた、そして帰途再びこの冒険を敢てしなければならぬと思うて、慄然として恐れたのである。ゆくこと四、五丁、山角を廻ると、太く大なる山毛欅の木がある。その暗き枝を透かして、向うに見える明るき山の色の美しさは、この世のものではない。暫く佇立したが、とても短い時間で写せそうもないので割愛して進んだ。
沢近く下ってまた上ると、ボツボツ藁屋根が見える、中には石を載せた板屋根もある。白壁も見える、麦の畑桑の畑も見える、早川谷最奥の部落奈良田であろう。
村に入ると、四、五人の子供が出て来た。いずれも目を大にして私を見上げ見下している。「異人だ異人だ」というのもある、「アンだろう」というのもある。