Clásicos japoneses con furigana
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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
Lee 白髪小僧 (しらがこぞう) de 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.770 caracteres · 194 pantallas
扨はこれが妾の姿か。妾は矢張り美留女姫であったのか。妾はこんなに美しかったのか。こんなに気高い女であったのか。漁師の娘なぞというさえ勿体ない。女王と云った方がずっとよく似合っているこの美しさ、気高さ、優しさ。まあ、何という艶やかさであろう。そうして妾は矢張り彼の夢の中の書物で見た通りに、女王になるのであったかと思うと、最早嬉しいのか恐ろしいのか解からずに、そのまま気が遠くなりまして、宝石の上に座り込んで、一生懸命気を押し鎮めました。
扨やっと気が落ち付いてから、又もや鏡の傍へ差し寄って、つくづくと自分の姿に見とれましたが、見れば見る程美しくて、とてもこの世の人間とは思われませぬ。こんな綺麗な容色を持ちながら、こんな気高い姿でありながら、もし彼の夢を見なければ、彼の低い暗い家の中に住んで、あの泥土を素足で踏んで、彼の腥い魚を掴むのを、自分の一生の仕事に為るところであったのか。姿は美しいとはいえ、又笛は名人とはいえ、どうせ只の漁師の伜の、彼の汚い着物を着た香潮の妻になって、つまらなく暮すのが自分の身の上だったのか。嗚呼、勿体ない。勿体ない。この鏡や宝石を海の底に沈めておくよりも、まだずっと勿体ない事だ。