Clásicos japoneses con furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lee 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.621 caracteres · 99 pantallas
十五
弥之助は食土一如の信者というわけでは無いが、この武蔵野の植民地に住む限りは、主としてこの附近の産物を食料にとる方針を立てた。
水田の無いこの野原では陸稲を主としなければならない、陸稲にも相当種類はあるが、釜割種はさっぱりし過ぎてねばり気が少ない、もう一つの平山種はきびの悪い程うまかった、うまいと云った所で水稲とは比較になるべき筈のものではないが、普通陸稲のさらさらしたものにくらべて、きびの悪い程ねちねちした味いがある、然し麦となると本場である、小麦も大麦もどちらも本格で、小麦は挽かせて、うどんに造ったり餅に焼いたりするが、色こそ黒いけれども、その持味は公設市場で売るメリケン粉の類ではない、小麦本来の持味が充分で同時に営養価も高い事が味わえる、大麦に至っては主として碾割にして食用に供するのとこの頃は押麦にしてその儘飯に炊くのとである、碾割の方は桝目にして格別殖えも減りもしないが、押麦は押しにやるとかえって桝目がふえて帰る、裸麦の或種のものは三斗やって四斗になって帰るものもある。この大麦は麦だけを飯に炊く家もあるが少々ずつ米をまぜて炊く家もある。