Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lee 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 253.535 caracteres · 506 pantallas

Aozora Bunko

夜明けの夢をかきみだしたくなかったのだ。そして、ほの白く浮きだした板囲いの家の前で佇んだ。障子窓に黄ばんだ灯が滲み出ている。

「阿賀妻か――」と内部から先に声があった。

はッ、と突き膝になり彼は頭を低げて答えた。

「いかにも――謙でございます」

「待っていた」

障子がひきあけられた。

めらめらとランプの焔が揺れた。明けがたの冷たい空気が流れこんだためであろう。彼らの主君であった伊達邦夷は、さかやきの伸びた額をおさえ、些さか唇をまげたあの顔で、遠い海の彼方に視線を投げていた。思いが胸にあふれているときの様子であった。一しきり海風が揺れて吹き通った。彼は眼を阿賀妻に移して一言云うのである。

「ご苦労――」

「最善の努力をいたして参ります」と、阿賀妻は目を俯せた。

「何分とも――」と顔をひき邦夷は、「これ!」と呼びかけた。

炉ばたに畏っていた従僕がはね起きた。

「持って参れ」と彼は命じ、草履をつっかけて外に出て来た。

すでに用意してあったものである。酒と干し烏賊とを朱塗の膳にのせて運んで来た。立ちあがる拍子に阿賀妻は家の中をちらッと一瞥した。妻子を郷里に残した奔走の何年目になるだろう――単身この移民の先頭に立ってやって来た邦夷は、夜具代りにした二三枚のケットに凭れて、書見にふけっているように装いながら実は考えごとに耽ってい