Clásicos japoneses con furigana
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しんろのまき
神鷺之巻
泉 鏡花
Lee 神鷺之巻 (しんろのまき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 26.672 caracteres · 54 pantallas
……そうすると、気が易くなりました。」
「ああ、観音の利益だなあ。」
つと顔を背けると、肩をそいで、お誓は、はらはらと涙を落した。
「その御利益を、小県さん、頂いてだけいればよかったんですけれど――早くから、関屋からこの辺かけて、鳥の学者、博士が居ます。」
「…………」
「鳥の巣に近づくため、撃つために、いろいろな……あんな形もする、こうもする。……頭に樹の枝をかぶったり、かずらや枯葉を腰へ巻いたり……何の気もなしに、孫八ッて……その飴屋の爺さんが夜話するのを、一言……」
(!…………)
「焼火箸を脇の下へ突貫かれた気がしました。扇子をむしって棄ちょうとして、勿体ない、観音様に投げうちをするようなと、手が痺れて落したほどです。夜中に谷へ飛降りて、田沢の墓へ噛みつこうか、とガチガチと歯が震える。……路傍のつぶれ屋を、石油を掛けて焼消そうか。牡丹の根へ毒を絞って、あの小川をのみ干そうか。
もうとても……大慈大悲に、腹帯をお守り下さいます、観音様の前には、口惜くって、もどかしくって居堪らなくなったんですもの。悪念、邪心に、肝も魂も飛上って……あら神様で、祟の鋭い、明神様に、一昨日と、昨日、今日……」