Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

Lee 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 95.012 caracteres · 189 pantallas

Aozora Bunko

こっち、お前達にも、ひどい苦労を嘗めさせた。おれはいつも済まんと思っているよ」

「お父さん、愚痴なら、云わん方がいいですよ」浩が心配して口を挿んだ。

「いや、今日は愚痴ばかり並べるつもりじゃないのじゃ」老父は強く首を振って云った。「そんなわけで、わしは、海軍工廠をやめたが、お国のために尽そうという気持は、更に変らないのじゃ。変らないばかりじゃあ無い。先刻のように、折角大事の防空監視哨に立つ人が無いと聞くと、残念で仕方がないのじゃ。そこでわしは考えた。何とかして自分がお役に立つ方法はないものかと。わしは眼こそ見えないが、耳は人一倍に、よく聞こえる。盲目になってから、特によく聞こえるような気持がするのじゃ。だがいくら耳が聞こえるからといって、盲目ではお役に立たない。そこでわしは、相談をするのじゃが、殊に真弓に考えて貰いたいと思うのじゃが、わしは孫の三吉を連れて監視哨の物見台へ上ろうと思うのだよ」

「ああ、お父さん、そんなこと、いけないわ」

「なあに、わしのことは、心配いらぬよ。こんな身体でお役に立てば死んでも本望だ。ただ三吉を連れて行くのは、可哀想でもあるけれど、あれは案外平気で、行って呉れるだろうと思う」