Clásicos japoneses con furigana
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かまどのなかのかお
竈の中の顔
田中 貢太郎
Lee 竈の中の顔 (かまどのなかのかお) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 7439 caracteres · 15 pantallas
「源吉」
三左衛門は揮り返って入口の石に腰をかけている若党を呼んだ。
「へい」
若党は起って来た。
「これを、あの仏壇の中へ入れてくれ」
「へい」
若党はあがって来た。三左衛門から紙包を受けとって仏壇の前へ往き、恭しく扉に手をかけて開けたが、何かに驚いて後へ飛び退った。
「エッ、く、く」
三左衛門も竈の下のことがあっているので、また何かあったのだろうと思った。
「どうした」
「首がございます、生首が」
「そうか」
三左衛門は起って往った。怪しい黒ずんだ風変りな仏像の前に、前方向きにした男髷の首が据えてあった。
「よし、その包みを持って来い」
三左衛門は若党の手から紙包を執って、それを仏像と首との間に置いた。仏像は眼のぎらぎら光る三面六臂の奇怪なものであった。
「よし、あっちへ往って、なにくわない顔で待っておれ」
三左衛門は扉を締めて元の処へ往って坐った。それといっしょに若党は入口の石の処へ往って腰をかけていた。
「やれ、やれ、木の中におって、木をきらしたぞ」
僧は枯枝を小腋にして帰って来た。
「これは、どうも、御厄介をかけますな」
三左衛門は平気な顔をして云ったがすこしの油断もしなかった。