Clásicos japoneses con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Lee 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.798 caracteres · 91 pantallas
四の三
彼はそう呟く、「――結婚してしまえば、そこから自然と愛情が生れると思った、生活は人の感情や習慣を変えるものだから、……しかし、どんなにしても変らないものもある、それを変えようとするのは慥かに不自然だ」
岡村の不行跡が明るみに出、厳しく罰せられたことがわかっても、彼に対する杉乃の気持は変らない。永久に変らないかもしれないし、それを変える力は人間にはない。
――ではどうしようか。
孝之助は苦しんだ。まじめに離婚を考えさえしたが、もちろんそんなことができるわけもなく、結局、その苦しさに自分を慣らしてゆくよりしかたがなかった。
年が明けて、正月中旬に、藩主が帰国した。伊豆守利秀といって、先殿甲斐守利光の三男に生れたが、二人の兄が若くして死んだため、すでに分封していたのを、戻って家督を継いだのであった。当時二十八歳、小太刀と槍が得意で、江戸では側近の者が悩まされるという噂が専らだった。
四の三
孝之助は喪中だったから、藩主が帰国しても、なお暫くは登城しなかった。そのあいだに、思いがけないとり沙汰をいろいろ聞いた。
利秀は武芸に凝るばかりでなく、学問にも興味をもち、江戸では世評の高い学者を扶持して、かなり勉強したそうである。