Clásicos japoneses con furigana
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
Lee 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 45.798 caracteres · 91 pantallas
叔母は彼の盃に酌をしてやった、「――それもただ好きだというくらいのものじゃなく、お互いが相当つきつめた気持になっているらしいの、親たちは反対だそうだけれど、そんなことではとても抑えられまいっていう話よ」
「ええ、そのことなら知っています」
「知っているんですって」
「よく知っていますし、それはもう定りがついたんです」
千寿はじっと甥の顔を見た。それから手を伸ばして、小机の上の鈴を取って振った。その澄んだ美しい音色は、しんと冴えた、静かな宵の空気をふるわせ、その音にさそわれるかのように、暗い空から、落葉が、庭の上へひそやかに舞い落ちた。
まもなく、二人の若い女中が、新たに酒と肴をはこんで来、孝之助の膳をも拵えて、(これらのことはすべて無言のうちに行われた)そして、黙って会釈して去った。
「箸をおつけなさいな、今年もおち鮎はこれが喰べじまいかもしれませんよ」
女中たちの手燭の光りが見えなくなると、叔母はこう云って銚子を取った。
「そして、定りがついたとはどういうことか、もしよかったら聞かせて頂戴」
孝之助は眼を伏せながら、おとなしく酒を受け、その盃を膳に置いた。