Clásicos japoneses con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lee 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 124.386 caracteres · 248 pantallas
「柳樽」愛読
「江戸に生れないで、どうして、江戸が書けるのですか」
真ッ向から、こう、私にきく人がある。
「それは、わけはありません。ちゃんと、手品のタネがあります」
「手品?」
「そんな顔をしないでよろしい。岩手に生れた私に、多少でも、江戸の息吹きが書けているとしたら……」
そのタネ明かしは、ほかでもない。江戸の古川柳である。「柳樽」をはじめとする川柳を読んだおかげである。私は、時代小説を志す若い人たちに何時も言う。
「悪いことはいいません。まず『柳樽』を、少くとも五回くらいは、読み返すことですねえ」
「柳樽」愛読
東大で、フランス語の時間である。
いくらか、巻き舌の、流暢なフランス語で原書の講義をやっていた外人教師が、不意に私の方をみて、
「や? 何をしてる?」
という顔をした。見つかるはずはないんだがつい、眼についてしまったのだ。多分私が、顔の紐をゆるめて、ニヤニヤしたからに違いない。
これが、小学校の一年坊主かなんかであったら、さっそく呼び上げられて、教壇の端ッこに立たされるところであるが、まさか、大学で、そんなことはない。
つかつかと下りてきた外人教師は、私が、二枚折り屏風のように立てているフランス法律書の中をのぞきこんで、早口で、何かいっている。