Clásicos japoneses con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lee 自警録 (じけいろく) de 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 168.224 caracteres · 328 pantallas
恩を施してくれた相手によりて区別したるに過ぎぬ。
受身の立場からいうたら、目上の人から受けた恩よりも、目下の者から受けた恩のほうが大きいこともある。自分の君公からお古の裃を頂戴するのは、昔では非常の恩誼とみなした。しかし自分の従僕が一命を捨て自分の難を救うほうの恩誼ははるかに重いと僕は思う。
あるいは君なるものは自分に対して常に衣食を給していて日ごろ生命の基である。ゆえにこれに報ゆるに常に生命をもってすべきものを、自分の生命を取らずにかえって裃の一組でもくれるというは、その物は僅であっても、その心は我々の期待するよりはるかに以上であるから、その重きことは日ごろ給料を与えて、自分のために忠勤を擢ずべき義務をもっている従僕が、たまたま難に遇って自分を救ったよりは、ものそのものはいかに軽くとも、君公の賜物のほうをはるかに重しとすべき議論も一通り立つから、僕とてもあながち絶対的に君公の拝領物は家来の命より軽いと一般にいう訳ではないけれども、君公だとか従僕だとか、社会的の区別をすればこそ、些細のことが大きく思えたり、重いことが軽く見えるが、自分のために宜きを計り、自分に尽す親切の行為を計れば、思わぬところに僕の恩人が潜んでいて、その人の恩誼をさらに感知しないで、見当違いの方に無闇に有難がっていることもあり得ると思う