Clásicos japoneses con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lee 自警録 (じけいろく) de 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 168.224 caracteres · 328 pantallas
やわらかく握るところに人生の真味あり
すでに先天的に出来ているものを、強いて俺はこれから剛にする、俺はこれから柔にすると、天賦の性質を矯め、束縛することはすこぶる難事であるが、しかし俺はあくまでも剛である、俺は何事にも柔であると一貫して遂行することも出来ぬ。これは矛盾するようであるが、人がこの世に処するあいだには、あるいは剛に出ねばならぬことあり、あるいは柔ならねばならぬことがある。
人間の体躯も骨ばかりでは用をなさぬ、筋肉もあれば脂肪もある、腹や股が柔であるから、人体は柔であるといえぬ。爪や歯牙があるから剛だともいわれぬ。ゆえに剛だとか柔だとかいって、いずれか一方を主義とすべきものでなく、事に触れ機に接して、身を処するにこれは剛にすべく、是は柔にすべく、その場合に応じて二者の調和よろしきを得て、人間は始めて円満となるのである。事によってあるいは剛となりあるいは柔となるというも、それは決して矛盾でない。前にいった橋本にしても藤田・西郷にしても、両方の性質があったから、外見と性質とがちがうように見えたのであろう。
やわらかく握るところに人生の真味あり
たびたびいう通り人世は多数の人とともに乗り合う渡船のごときものである。