Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

Lee 自警録 (じけいろく) de 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 168.224 caracteres · 328 pantallas

Aozora Bunko

知らぬ人の批評には弁解が要らぬ

あの男が一ぱい機嫌で悪口するはアルコールの蒸発が喉を過って来るから、人の言葉として顕われるが、一種のガスの作用にほかならぬ。我々の耳に達したころはちょうど消えてなくなる。彼の男にしてそういう言を弄するは、ちょっと奇抜で、面白いが、あまりガラに似合わぬ、真のことでもあるまい。またさらに力あるとも認められぬと思うと、悪口を受けても苦痛でなく、犬の遠吠えぐらいに聞こえる。ちょっとは耳に障っても、あとに残らない。

しかるにこれを一々真面目に解し、言葉通りに直訳して考うれば由々しいことになるが、人はなかなか大いに考えて悪口することは少ない。ただその場合々々に好き勝手な熱を吐くほうが多いから、為に人を怨み、あるいはみずから怒り、あるいは落胆し、あるいはヤケになったりする価値はない。ゆえに世に処するものは悪口の六、七分は聞流しにすべきもの、意に介する価値なきものと僕は信ずる。

折々は濁るも水の習ひぞと思ひ流して月は澄むらん

知らぬ人の批評には弁解が要らぬ

もっとも悪口でも右のごとく軽いものばかりと限らぬ。ときには念の入った、しかも非常に念入りのものもあり、中には道具立てした悪口もあり、数人かかって、それぞれ手を廻わし、こちらに罠をかけ、あちらに垣を結び、もって他を陥れんとする、手配り広き悪口もある。