Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

Lee 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 52.046 caracteres · 104 pantallas

Aozora Bunko

あぢさゐ

駒込辺を散策の道すがら、ふと立寄った或寺の門内で思いがけない人に出逢った。まだ鶴喜太夫が達者で寄席へも出ていた時分だから、二十年ぢかくにもなろう。その頃折々家へも出入をした鶴沢宗吉という三味線ひきである。

「めずらしい処で逢うものだ。変りがなくって結構だ。」

「その節はいろいろ御厄介になりました。是非一度御機嫌伺いに上らなくっちゃならないんで御在ますが、申訳が御在ません。」

「噂にきくと、その後商売替をしなすったというが、ほんとうかね。」

「へえ。見切をつけて足を洗いました。」

「それア結構だ。して今は何をしておいでだ。」

「へえ。四谷も大木戸のはずれでケチな芸者家をして居ります。」

「芸人よりかその方がいいだろう。何事によらず腕ばかりじゃ出世のできない世の中だからな。好加減に見切をつけた方が利口だ。」

「そうおっしゃられると、何と御返事をしていいかわかりません。いろいろ込入ったわけも御在ましたので。一時はどうしたものかと途法にくれましたが、今になって見れば結局この方が気楽で御在ます。」

「お墓まいりかね。」

「へえ。先生の御菩提所もこちらなんで御在ますか。」

「なに。