Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

Lee 落葉の隣り (おちばのとなり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.877 caracteres · 57 pantallas

Aozora Bunko

「休みには家へ帰ってね、繁ちゃん」と暇を取って出てゆくときおひさが云った、「このごろあんまり帰らないんでしょ」

「帰らなくはねえさ」

「たいてえ芝居かどっかへゆくじゃないの、知ってるわよ」とおひさが云った、「でもこれからはなるべく帰ってね」

参吉がいるぜ、と口まで出かかったが、繁次は「うん」と頷いただけであった。

母親のくらしを助けるために、繁次は親方から三度金を借りているし、月づき幾らかずつは仕送らなければならないので、二十三で年期のあける筈が、なお一年延びることになっていた。彼は手のおそいほうだし、見栄えのするような仕事はできなかった。それできょうだい弟子たちからは軽くみられていたが、みてくれに構わず、いそがない品なら誰にも負けない物を作るので、特に箪笥などは名ざしで来る注文が少なくなかった。

繁次は晦日だけは家へ帰った。しかし母に幾らか渡すと、茶も啜らずにとびだしてしまう。参吉やおひさに会いたくなかったし、ぐちっぽくなった母の繰り言を聞くのも、気が重かったのだ。

「そういう年ごろになったんだね」と母はたびたび云った、「男の子が二十を越せば、自分の家なんか気ぶっせいになるんだろう、いいよ、おまえだけじゃないんだから」