Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lee 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.807 caracteres · 28 pantallas

Aozora Bunko

カメのとびこんだところは、流れの幅がタップリ二百米はあって、その全部がほとんど背が立たない。この二三里下流へさがると、日本でたった一ヵ所のツツガ虫の生息地で、この区域の川へはいると命が危い。もっとも当時は、人々がそんなことを考えていたか、どうかは分らない。

人々は十数艘の舟をつらねて漕ぎだしたが、カメの姿はどこにも見えない。

「奴め。苦しまぎれに本当に身投げしたのかな。そうすると、大変だが、イヤ、イヤ。一晩中井戸の中にいて平気な野郎だ。バカの智恵というものもバカにはならないぞ。ひょッとすると、沖へ逃げたとみせて、岸の浅瀬に身をひそめて鼻で息をしているかも知れないぞ」

手わけして探しまわっているうち、ふと対岸をみると、カメがオカへあがって一休みしている。

「この野郎」

対岸へ漕ぎよせたのを見すまして、カメは又ドブゥン。気がつくと、反対側のオカへあがって休息している。一同は舟で行ったり、戻ったり、それだけでヘトヘトだ。

「野郎め。姿を一度も見せないで、どうして河を渡りやがるのだろう。よッく水の上を見張ってろ。息を吸いに顔をださない筈はないから」

要所々々に舟をかまえて、目を皿にして見張っている。