Clásicos japoneses con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
――帰ってから御前にも話した通り」
「それは覚えていますけれども、何だか判然しないようだったから」
「判然しないのは向の事さ。阿爺があの通り気の長い人だもんだから」
「こっちでも判然とは断わらなかったんでしょう」
「そりゃ今までの義理があるから、そう子供の使のように、藤尾が厭だと申しますから、平に御断わり申しますとは云えないからね」
「なに厭なものは、どうしたって好くなりっこ無いんだから、いっそ平ったく云った方が好いんですよ」
「だって、世間はそうしたもんじゃあるまい。御前はまだ年が若いから露骨でも構わないと御思かも知れないが、世の中はそうは行かないよ。同じ断わるにしても、そこにはね。やっぱり蓋も味もあるように云わないと――ただ怒らしてしまったって仕方がないから」
「何とか云って断ったのね」
「欽吾がどうあっても嫁を貰うと云ってくれません。私も取る年で心細うございますから」と一と息に下して来る。ちょっと御茶を呑む。
「年を取って心細いから」
「心細いから、欽吾があのまま押し通す料簡なら、藤尾に養子でもして掛かるよりほかに致し方がございません。すると一さんは大事な宗近家の御相続人だから私共へいらしっていただく訳にも行かず、また藤尾を差し上げる訳にも参らなくなりますから……」