Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lee 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.559 caracteres · 401 pantallas
「こっちは自分一人を持て余しているくらいだ」
「元来、君は我儘過ぎるよ。日本と云う考が君の頭のなかにあるかい」
今までは真面目の上に冗談の雲がかかっていた。冗談の雲はこの時ようやく晴れて、下から真面目が浮き上がって来る。
「君は日本の運命を考えた事があるのか」と甲野さんは、杖の先に力を入れて、持たした体を少し後ろへ開いた。
「運命は神の考えるものだ。人間は人間らしく働けばそれで結構だ。日露戦争を見ろ」
「たまたま風邪が癒れば長命だと思ってる」
「日本が短命だと云うのかね」と宗近君は詰め寄せた。
「日本と露西亜の戦争じゃない。人種と人種の戦争だよ」
「無論さ」
「亜米利加を見ろ、印度を見ろ、亜弗利加を見ろ」
「それは叔父さんが外国で死んだから、おれも外国で死ぬと云う論法だよ」
「論より証拠誰でも死ぬじゃないか」
「死ぬのと殺されるのとは同じものか」
「大概は知らぬ間に殺されているんだ」
すべてを爪弾きした甲野さんは杖の先で、とんと石橋を敲いて、ぞっとしたように肩を縮める。宗近君はぬっと立ち上がる。
「あれを見ろ。あの堂を見ろ。峩山と云う坊主は一椀の托鉢だけであの本堂を再建したと云うじゃないか。