Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lee 街はふるさと (まちはふるさと) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 193.435 caracteres · 389 pantallas

Aozora Bunko

青木が言葉に窮していると、記代子は彼をさえぎるように立ち止って、

「私、子供は、きらいよ。子供なんか、つまんない。私、青木さん、好き。なぜ、察して下さらないの」

記代子は青木を見つめていたが、にわかに振りむいて、駈け去った。

六

記代子の気まぐれな感傷だろうと青木は思った。放二によせる胸の思いが、迷路をさまよって出口をふさがれているせいだ。

翌日、青木は深くこだわらず、出社した。記代子の様子にも、ふだんと変りは見えなかった。

午後になると、どの部屋も暑くなる。青木はトイレットへ顔を洗いに行く。いつもの彼の習慣だ。ゆっくり顔を洗って、ふと隣りをみると、水を流して、手を洗うフリをしながら、こッちを見ているのは記代子であった。

「ヤ」

顔をぬらしているから、物を云うことができない。タオルで顔をおさえる。ふき終ると、視線がかちあった。記代子の目は、食いこむようであった。

「今日、放二さんをさそったら、承知しない」

言いすてると、すぐふりむいて、立ち去った。昨夜のように駈け去りはしない。もっと確信にみちて、落ちついた態度であった。

偶然の出会ではない。