Clásicos japoneses con furigana
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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
Lee 論語物語 (ろんごものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 132.688 caracteres · 266 pantallas
子夏の声である。子夏が再び峠に引きかえして来て、司馬牛を呼んだのである。
司馬牛は急いで涙を拭いた。そしてそ知らぬ顔をして足を早めた。
「足が痛むんじゃないかね。」
「いいや、大丈夫。」
「つい話に夢中になって、君がおくれていることに、ちっとも気がつかないでいた。先生に注意されて、みんなはじめて知ったんだ。」
子夏の口吻には少しのこだわりもなかった。司馬牛はうれしかった。孔子が最初に気がついて注意してくれたというのも、彼には嬉しいことの一つであった。
「何だか元気がないようだね。」
子夏は彼と並んで歩きながら云った。一行は立止まって、二人が峠にあらわれるのを待っていたが、二人が揃って坂を下りかけたのを見ると、すぐまた歩き出した。
「そう見えるかも知れない。僕は実際淋しいんだ。」
司馬牛は、しばらく間をおいてそう答えたが、彼の胸は、また次第に重くなって行くのであった。
「君の気持はよくわかる。しかし、君自身に罪はないじゃないか。みんなはむしろ君を気の毒に思っているんだ。」
「…………」
沈默がしばらくつづいた。司馬牛は二三度大きな吐息をついてから云った。
「僕には、もう兄弟がないんだ。