Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lee 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.864 caracteres · 44 pantallas

Aozora Bunko

「おまえ代れ、保本」と去定はやがて根を切らして云った、「おれはちょっと岡野に会って来る」

そして彼は出ていった。

登は死んだ六助のことを考えた。それから柏屋にいる子供たち。祖父と孫。祖父は施療所で一人で死に、子供たちは見知らぬ木賃旅籠でふるえている。登はそのことを思い、子供たちの話から始めた。すると、おくには急に身ぶるいをし、眼を大きくみひらいた。

「あの子たちは無事ですか」とおくには吃りながら訊いた、「お祖父さんに引取ってもらえたでしょうか」

登は六助の死と子供たちのことを告げた。六助は金を残して死んだし、去定は必ずおくにを助けるであろう。また将来のことも面倒をみる筈だから、詳しい事情を話すがいいと云った。

「お父っさんは、亡くなりましたか」おくにはぼんやりとつぶやいた。口から言葉がこぼれ落ちたという感じで、そのまま沈黙し、かなりながいこと茫然と宙を見まもっていたが、やがて低い声で問いかけた、「苦しんだでしょうか」

登は首を振った、「いや、安楽な死にかただった」

おくには焦点のきまらない眼で、ぼんやりと登を眺めていたが、やがて力のない、気のぬけたような調子で語りだした。