Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Lee 赤外線男 (せきがいせんおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 38.889 caracteres · 78 pantallas

Aozora Bunko

貴様でなければ、あの殺人は出来ないことにはなるが、貴様は一体何者だッ。

帆村は呻りながらも、まだ何か忘れているものがありはしないかと、痛む頭脳をふり絞った。

有るには有る。あの延髄を刺した鍼だ。調べてみると指紋はあった。しかし細い鍼の上にのった幅のない指紋なんて何になるのだ。

それから、深山理学士の室で発見された大きい靴跡だ。あれが赤外線男のものとして、背丈を出すと五尺七寸位。これはいい。

次に事務室で盗まれた千二百円だ。赤外線男に金が要るとは可笑しい。しかし靴を履いていたり、黒い洋服のようなものを着ているというからには、矢張り金が要るのかしら。しかし、その金をどうして使うのだ。彼自身が握っていたのでは、金は他人の眼に見えないだろうし、第一洋服店の前に立って、洋服を注文したところで、背丈肉付もわからなければ、店の方でも声ばかりするのでは驚いて、不思議な噂話がパッと拡がらねばならぬ。それも聞えてこないというのは、若しや赤外線男に手下があるのではあるまいか。

世間では、新宿のホームから飛びこんで轢死した婦人の身許もわからないし、地下に葬った筈の死骸が紛失した不思議さを、今も尚覚えていて、あれも赤外線男の仕業だろうと云っているようだ。