Clásicos japoneses con furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lee 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) de 谷 譲次 (たにじょうじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 168.926 caracteres · 332 pantallas
『全くこうあつくちゃあやり切れませんな――しかし、こんなのはそう長くは続きませんよ。きっと、また明日あたりみんな外套を着るでしょう、へへへへ。なあデック!――と大きな声でデックへ――ロンドンの天気だけあわからねえなあ。』
『そうよ。ロンドンの天気だけあからきしわからねえ。』
順番を待っているデックが答える。こいつが店へ這入ってきたとき魚のにおいがしたから、按ずるに、このデックは四、五軒さきの魚屋の若い者であろう。と言っても、べつにいなせななりをしているわけではない。金いろの毛の密生した手で新聞を読んでいる。
『じっさい、』と床屋は私の頭のうえで、『もう二、三時間もしたらわたしの考えじゃあざあっと一雨来ますね。それからぐっと涼しくなりまさあ。』
『われは、そのなんじの予言の真実ならんことを望む。』
これは言うまでもなく私だ。何だか知らないが床屋はひどく驚いている。
『おや! 旦那は暑いのはお嫌いですか?』
『われは、あまりに寒きを好まざるがごとく、あまりに暑きをも好まざるものなり。』
『へえい! そいつあ驚きましたね。わたしゃまた、旦那あ寒いのあ閉口だろうが、暑いのはどんなにあつくても、暑くて困るってこたあないのかと思ってましたよ。