Clásicos japoneses con furigana
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うんめいろんしゃ
運命論者
国木田 独歩
Lee 運命論者 (うんめいろんしゃ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.357 caracteres · 34 pantallas
妻の里子は父を異した僕の妹であったのです。如何です、これが奇しい運命でなくて何としましょう。斯の如きをも源因結果の理法といえばそれまでです。けれども、かゝる理法の下に知らず/\此身を置れた僕から言えば、此天地間にかゝる惨刻なる理法すら行なわるゝを恨みます。
先ず如何して此等の事実が僕に知れたか、其手続を簡単に言えば、母が鎌倉に来てから一月後、僕は訴訟用で長崎にゆくこととなり、其途中山口、広島などへ立寄る心組で居ましたから、見舞かた/″\鎌倉へ来て母に此事を話しますと、母は眼の色を変て、山口などへ寄るなと言います。けれども僕の心には生の父母の墓に参る積がありますから、母には可い加減に言って置いて、遂に山口に寄ったのです。
兼て大塚の父から聞いて居たから寺は直ぐ分りました。けれども僕は馬場金之助の墓のみ見出して、死だと聞た母の墓を見ないので、不審に思って老僧に遇い、右の事を訊ねました。尤も唯だ所縁のものとのみ、僕の身の上は打明けないのです。
すると老僧は馬場金之助の妻お信の墓のあるべき筈はない。彼の女は金之助の病中に、碁の弟子で、町の豪商某の弟と怪しい仲になり、金之助の病気は其為更に重くなったのを気の毒とも思ず、遂に乳飲児を置去りにして駈落して了ったのだと話しました。