Clásicos japoneses con furigana
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さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
Lee 避けぬ三左 (さけぬさんざ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.846 caracteres · 22 pantallas
しかし彼はいま主家の運命があたらしい困難に当面し、おのれ一代をもってしては徳川氏の天下がおぼつかないとみて、子の代、孫の代まで奉公するため、あえて出陣のまえに妻を娶ろうと決心したのだ。
「よくわかった」弥左衛門はふかく頷きながら云った。「ご移封のことに就てはなにも申すまい、だが男子たる者はいずれ妻帯をせねばならぬ、わしに仲立せよというならよろこんでひきうけるが、誰ぞこれと思う相手があるか」
「ございます、この人こそと思いきわめた娘があるのです」
顔も赤めずにずばずばと云った。
「執心とみえるが」弥左衛門の方でたじたじとなった、「それはどこの娘だ」
「お使役、鷲尾八郎兵衛の妹ごでございます」
「鷲尾の妹」弥左衛門はぴくっと眉をあげた。
「はあ、鷲尾の妹を妻にもらいうけたいと思います、もはやそうきめてしまったのでございます」
「ちょっと待て、まあ待て」弥左衛門は慌てておし止めた、なにかひどく驚いたらしい、正気かというように三左衛門の顔をみつめたり、相手が平然として動かないのを見て低く唸ったりしていたが、「それで、その、……その相手の娘とは、会ったことがあるのだな」