Clásicos japoneses con furigana
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しゅうぶん
醜聞
山本 周五郎
Lee 醜聞 (しゅうぶん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 22.900 caracteres · 46 pantallas
「おまえは二年いたが子はできなかった、いまの妻は嫁して来て二百日そこそこだ」
「その人はきっと人間じゃあないわ」さくらはまた湯呑から飲み、ふんと鼻をならした、「そうよ、きっとあんたと同じかなぶつかなんかだわ、かなぶつどうしなら子ができてもふしぎじゃあないもの」
「人間はおまえ一人というわけか」
「そうですとも、あたしは人間よ、血のかよっている人間の女よ」さくらの顔がひきつり、急に蒼白くなるようにみえた、彼女は湯呑へ強い酒を注ぎ、それを一と息に呷り、さらに酒を注いでから功兵衛を見た、「あたしがあんたと祝言したとき、いい良人にめぐり会ったと思った、家柄もいいし生活も楽だし、三十石の馬廻りの娘から百三十石の、諸奉行のなんとかいうむずかしいお役人の妻になれた、これからは良人を大切にし、良人と生涯むつまじくくらしていこう、――あたしはしんからそう思ったものよ、そしてあたしにできるだけのことはした筈よ」
「けれどもだめだったわ」湯呑の酒を啜ってさくらは続けた、「あんたは人間じゃなかった、あんたは人間であるまえに侍になっていたのよ、侍の中でもこちこちの侍、人間らしさなんてこれっぽっちもない侍にね」