Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lee 野菊の墓 (ななこ) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 71.271 caracteres · 144 pantallas

Aozora Bunko

例の仕事上手で何をしても人の二人前働いている。

父は依然として朝飯夕飯のたびに、あんなやつを家へ置いては、世間へ外聞が悪い、早くどこかへ奉公にでもやってしまえという。母は気の弱い人だから、心におとよをかわいそうと思いながら、夫のいうことばに表立って逆らうことはできない。

「おとよを奉公にやれといったって、おとよの替わりなら並みの女二人頼まねじゃ間に合わない」

いさくさなしの兄はただそういったなり、そりゃいけないとも、そうしようともいわない。飯が済めばさっさと田圃へ出てしまう。

九

世は青葉になった。豌豆も蚕豆も元なりは莢がふとりつつ花が高くなった。麦畑はようやく黄ばみかけてきた。鰌とりのかんてらが、裏の田圃に毎夜八つ九つ出歩くこの頃、蚕は二眠が起きる、農事は日を追うて忙しくなる。

お千代が心ある計らいによって、おとよは一日つぶさに省作に逢うて、将来の方向につき相談を遂ぐる事になった。それはもちろんお千代の夫も承知の上の事である。

爾来ことにおとよに同情を寄せたお千代は、実は相談などいうことは第二で、あまり農事の忙しくならないうちに、玉の緒かけての恋中に、長閑な一夜の睦言を遂げさせたい親切にほかならぬ。