Clásicos japoneses con furigana
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きんぽうさいき
金鳳釵記
田中 貢太郎
Lee 金鳳釵記 (きんぽうさいき) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6167 caracteres · 13 pantallas
二人はその朝の五更の頃、そっと家を逃げだして、瓜州から揚子江の流れを渡り、鎮江府の丹陽へ往って、目ざしている金栄の家のことを聞いてみるとすぐ判った。
金栄の家は甚だ富んでいて村の保正をしていた。興哥と慶娘の二人はそれを尋ねて往った。
「あなた様は、何方様でございます」
金栄はもう興哥の幼顔を忘れていた。
「私は崔興哥じゃ」
金栄にはまだ判らないので、興哥は父の姓名から自分の幼名まで言った。
「それでは崔様の若旦那様じゃ、まあ、まあ、こんなに御成人なさいまして」
金栄は興哥を上へあげて大いに歓待した。そこで興哥は事情を話して、二人で厄介になることになったが、金栄は旧主に仕えるようにして二人の面倒を見た。
二人はそれがために何の不自由もなく、一年ばかりの日を送ったが、その時になって慶娘は興哥に言った。
「お父さんとお母さんに知れるのが恐ろしかったから、こうしてきましたが、この頃、お父さんやお母さんのことが気になってたまりません、それに、お父さんやお母さんは、その当座は憤っていらしても、他に児はないし、帰ってあげたら、かえって悦んでくださるだろうと思いますが、あなたはどう思います」