Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lee 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.251 caracteres · 39 pantallas

Aozora Bunko

どなたも見かけませんでございました。」

「おう、円枝さんえ。」藤吉は、不意に声を落して、顔を突き出した。「隠しちゃあいけねえ。おっと、あわてるこたあねえのだ。おまはん、武右衛門とは、普段から仲が悪かったろうな。」

急に蒼褪めた円枝が、無言で、口を開けたり閉じたりしていると、おこよが言葉を挾んで、

「それは親分さん、あたしから申し上げます。武右衛門さんも、そりゃあ好い人でしたけれど、うるさくあたしにつきまとって、あんまりくどいんで、それに、あたしが嫌がってることを知ってるもんですから、なにかにつけ、円枝さんが買って出てあたしを守護って下すったんです。」

「とんだ惚気だ。」苦笑が、藤吉の口を曲げた、「ここらあたりと狙って、ちょっと一本放ちこんでみたんだが、おこよさんの口ぶりじゃあ、どうやら金の字だったようだのう。」

にやりと、彦兵衛をかえり見ると、とむらい彦は、立ったまま寒そうに貧乏揺ぎをしながら、

「親分、あんな大の男が、どうしてああちょろっと絞め殺されたのか、それがあっしにゃあ、まだわからねえ。」

「べら棒め、おいらにもわからねえことが、彦づらに解ってたまるけえ。