Clásicos japoneses con furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lee 銀座復興 他三篇 (いさん) de 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 40.579 caracteres · 82 pantallas
それがおときに、ひどく勝ほこった気持を与えた。
「いただくものにしましても、お魚や肉よりも野菜の方が好きですし、お菓子なんぞには手も出しませんが、果物は大好物でしてねえ、自分は山家育だから、なんでも土に近いものが好きだなんて申しておりますの。」
新吉にきいて初めて知った樹や草の名前を口にしたり、指して示す時は、すくなからず得意だった。
十月もなかばを過ると、落葉の早い碧梧桐、朴、桜などは殆んど散尽し、外の樹木も枝がうすくなって、透いて見える秋の空がくっきりと高かった。
夫婦が借ている離家の前の、黄ばみ始めた雑木にまじって、見事な柿の木が一本あった。鈍重な感じのする大きな厚い葉に、夏中は日光が鋭く照返したが、今はその葉も艶と光を失って、黄色く乾いたのは力なく土に落ち始めた。そのかわり葉かげにかくれていた柿の実は色づいて、枝は重さを支え兼るように撓んで来た。
「あの柿の実が毎日赤くなって行くのを楽みにしていましてねえ、朝雨戸をあけると、きっと縁側に立って見ておりますの。」
故郷の家の背戸によく生る柿の木があったので、目の前に柿の実の赤らんで行くのを見ていると、子供の頃の事まで思い出すと云って、新吉は朝日に光る梢をなつかしそうに仰ぎ見ていた。