Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.866 caracteres · 318 pantallas

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

一

「親分、お願いがあるんですが――」

お品はこう切り出します。石原の利助の一人娘、二十四五の年増盛りを、「娘御用聞」と言われるのはわけのあることでしょう。

「お品さんが私に頼み――ヘエ――それは珍しいネ、腕ずくや金ずくじゃ話に乗れないが、膝小僧の代りにはなるだろう。一体どんな事が持上がったんだ」

銭形平次は気軽にこんな事を言いました。お品の話を、出来るだけ滑らかに手繰り出そうというのでしょう。いつでも、そういった心構えを忘れない平次だったのです。

「お聴きでしょう? 蔵前の札差に強盗の入った話を――」

「聴いたよ。たった一人だが、疾風のような野郎で、泉屋の一家ばかり選って荒して歩くという話だろう」

二た月ほど前から虱潰しに泉屋一家を荒して歩く曲者、――どんなに要心を重ねても、風の如く潜り込んで、かなり纏った金をさらった上、障る者があると、恐ろしい早業で、大根か人参のように斬って逃出す強盗のことは、平次もよく承知しております。

「父さんはあの通りのきかん気で、身体が言うことをきかないくせに、八丁堀の旦那方に小言を言われると、ツイ請合って帰ったのだそうです。