Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.866 caracteres · 318 pantallas
橋の真ん中に通せん坊をしていたのは、夕闇の中にもはっきり、銭形平次の勝ち誇った姿と判ったのです。
「あ、己れは平次」
「上根岸からここまで四半刻で駆けつけるぐらいなら、百万遍を称えているうちに、聖堂裏まで行って人を殺せるはずだ」
平次は、ツと一歩進みました。
「…………」
後ろを振り向くと、大手を拡げて突っ立ったのは、ガラッ八の八五郎。
「銭形の親分、――いかにも俺は天狗小僧、二十年堅気で暮したのは、一人娘のお糸が可愛いばかりだ、――その娘の出世を妨げる甚助、殺したのが悪いか」
与次郎の声は凄惨でした。
「人を殺して悪くないはずはない」
と平次の声は冷たく響きます。
「あの野郎は、無体の横恋慕をして、香炉を盗んだ罪を娘に着せ、玉屋との縁談をこわしにかかった、――俺は昔取った杵柄で、感を働かせて石垣の間から香炉を見付け、その翌る晩玉屋へ返したが、――」
「棒をなぜ外へ捨てた」
「あんまり癪にさわるから、甚助へ少しばかり疑いがかかるようにしたのさ」
平次の明察を、与次郎は裏書きします。
「その甚助をなんで殺した」
「あの野郎の親は、俺の昔の相棒だ。それを知っていて、二十何年前に書いた、連判帳を種に脅かし、お糸を嫁にくれと言うから、その代り五十両で連判帳を買い取ると約束し、聖堂までおびき出して殺したのさ」