Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.725 caracteres · 298 pantallas

Aozora Bunko

「まアそんなところだ。――昨日あの騒ぎのあった時は、職人衆は皆んなどこに居なすったんだ」

「ちょうどお茶が入って、職人が皆んな向うの母家の方へ行っておりましたよ」

「そこからここは見えるだろうね、棟梁」

「土蔵の蔭ですから、少しも見えません」

「お茶は何刻ぐらいかかるだろう」

「未刻半に始まって、四半刻(三十分)もかかりゃしません、何分この仕事は急がせられておりますから」

「どうも有難う。――ところで、ちょいとここの足場の上へ登ってもいいだろうね」

「構いませんとも。――だが、素人衆は足許が定まりませんから、随分危ない芸当ですよ」

「なアに、気をつけさえすれば、――」

平次は足場の上へ、何の苦もなくスルスルと登って行きました。

「これは驚いた。――なるほどさすがは銭形の親分だけある。玄人もあんなに身軽には行かない」

棟梁とガラッ八は、下から口を開けて眺めております。

ちょうど丁子風呂の女湯の天窓のところへ行くと、平次は手を伸して、油障子を開けました。少し骨は折れますが、それでも大したキシミもせずに、スラスラと開きます。

平次はそこから女湯を見下ろしてそのまま足場を降りて来ました。