Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 144.106 caracteres · 292 pantallas
何とか親分さんのお力で、悪者を取押えて頂きたいものでございます」
佐五兵衛は如才ない調子ですが、結局自分の利益以外のことには、興味も注意も持たない言い分でした。
「金の茶釜の値打はどれくらいのものかな」
平次はそんな事を訊くのです。
「左様、道具屋仲間は千両と申しております」
「それを海から見付けたとすると、網を打った藤六のものだろうな」
「いえ、あの、私が譲り受けました。ハイ、この増屋佐五兵衛のものでございます」
「…………」
平次はそれ以上追及しませんでした。質素なくせに、どこかひどく金目のかかった暮しをしている佐五兵衛の家の中を、珍しそうに眺めまわしている様子などは、ガラッ八の眼から見ると、日頃の平次のたしなみにはないことです。
「毎晩あの小屋の中に茶釜を留めて置くことは、他に知ってる者はあるまいな」
「私と米吉と倅佐太郎の外にはございません」
「その佐太郎さんというのを呼んで貰おうか」
「ヘエ」
つれて来たのをみると、まだ十二三の少し発育の悪い少年。これでは金の茶釜より、軽焼の煎餅の方に興味がありそうです。
「八、久し振りで潮風に吹かれてみようか」
「ヘエ」
平次は増屋を出ると、心覚えの漁師町の方へ辿りました。