Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.179 caracteres · 280 pantallas
八
「そんな事はありゃしません。丸薬の七味を解いてやれば、恩こそあれ怨みを受ける覚えはないはずです。私は行って娘を救い出さなきゃなりません」
お絹が父親の命に代るために、自分から進んで虎狼の顎へ飛込んだと解ると、一色道庵は危険に対してすっかり盲目になってしまったのです。
「それじゃ、たった二つ私の願いを聴いて下さい、――一つは、その林の中の庵の絵図面を引いて見せること、一つは――」
平次の声は次第に小さく、やがて一色道庵の耳に何やら囁いております。
八
「恐れ入りますが、御用人様へ御取次を願います。あっしは八五郎というケチな野郎でございますが、御家の大事を御知らせ申したさに、神田からわざわざ参りました――と」
「何じゃ、御用人様に逢わしてくれ、お前は一体何だい」
継穂もなくヌッと出たのは、南部坂下屋敷の裏門を預かる老爺、今まで手内職をしていたらしい埃を払って、およそ胡散臭そうにガラッ八の間伸びのした顔を眺めやるのでした。
「ヘエ――、正にあっしで」
「正にって面じゃないよ、――用事は何だい、滅多な物貰いを取次ぐと、俺が叱られるでな」
「物貰いじゃないぜ爺さん、お家の大事ってえものを教えに来たんだ」