Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.179 caracteres · 280 pantallas
「それっきりか」
「それから、嫁のお清さんが、銭形の親分さんに、――妙なものを見付けたから、お目にかけたい――と言っていましたよ」
「フーム、それは耳寄りだ」
平次はその足ですぐ相模屋へ行ったことは言うまでもありません。
「あら、親分さん、――」
お清はいそいそと蔵へ案内すると、
「お浜が妙なものを隠しているんですよ」
押入を開けて、隅っこの方を指します。
「何だ、箱枕じゃないか」
取出したのは朱塗りの女枕、至って古いもので、抽斗もなんにもありません。横の穴から覗いてみると、中に一本の紐が――
「あッ」
引出して見ると、血に染んで黒ずんだ真田紐が、膠の中から引上げたように、ベットリ畳の上へ這います。
「これは何に使った紐だろう」
「前掛けの紐ですよ」
「男物のようだが、――心当りは?」
「…………」
お清は言おうか止そうか、余程迷っている様子です。
「それを言って貰わなきゃ、何にもならない。もっとも、お熊か寅松に訊けば解ることだが」
「申します、――どうも、与母吉の前掛けの紐のようで」
「何? 与母吉?」
これは平次にも予想外でした。
「その真田紐は古い品で、滅多にはありません」