Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.179 caracteres · 280 pantallas

Aozora Bunko

二

――お寺から、葬いを断って参りました」

「何?」

ガラッ八も膝小僧を揃えました。寺方が埋葬を断るのは、検屍を受けない変死人の場合で、医者の死亡診断書というもののない時代には、これが犯罪摘発の最後の手段に用いられたのです。

「義兄が死んだのは一昨日の朝で――もっとも夜中に死んでいたのを、下女が朝起しに行って見つけたそうですが、昨夜までも何の障りもなく、お通夜坊主が来て、長いお経をあげて帰りました。それが今朝になって、急にお上の検屍がなきゃ、仏を引取るわけに行かない――とこう言う始末で、ヘエ――」

久蔵はキョトキョトしながら、漸くこれだけのことを打ちあけました。八五郎がその噂を嗅ぎつけて、飛込んで来たと思い込んだのでしょう。

二

「親分」

ガラッ八が飛んで帰りました。

「何をあわてるんだ、八」

平次はまだ植木鉢の芽を楽しんでおります。

「五千両近い金が煙のように消えたんだ。こいつを驚かなかった日にゃ――」

「爺さんが死ぬとすぐ、山崎屋はお家騒動かい」

「それも五千両だぜ、親分」

「あわてるなよ。誰のものになったところで、俺や手前の身上に響く気遣えはねえ」

「いやに落着いているぜ、親分。