Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.082 caracteres · 257 pantallas
三
「外に変ったことは?」
「何んにもありませんね。もっとも、あの下女のお友というのは出戻りだそうで、世帯の苦労も情事の苦労も劫が経て居ますから、妙なところへ眼が届きますよ」
「――」
「佐太郎が惚気交りに話したことや、内儀と米吉が、夜も昼も奥の部屋に籠って、綾取り双六、鞠つき、と他愛もないことばかりして遊んでいることも、あの女が見届けてくれましたが」
「それから?」
「それっ切りですよ、あ、そう/\、伊豆屋の虎松が、相変らず乞食からお釣銭の来そうな風体で、朝から晩まで吾妻屋のあたりをウロ/\して居まさア、後家のお染さんはそれを嫌がるまいことか」
「――」
「虎松は身扮こそ悪いが、若くて丈夫そうだから、うっかり追っ払うわけにも行きませんよ。番頭の嘉七などは、見て見ない振りで、あっしが気を揉んだ位じゃ、どうにもなりゃしません」
八五郎の報告はざっとこんなものでした。
三
それから又四、五日経ちました。吾妻屋の主人永左衛門の二た七日が済んで、月も九月に改まって間もなく、八五郎は二度目の報告を持って飛んで来ました。まだ朝のうちです。
「何んだ、八」
「大変なんですよ、親分」
八五郎は格子に絡みついて息を継ぎました。