Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 157.440 caracteres · 313 pantallas
今までも幾度か危ない目に逢い、夫平次の手伝いもしたはずのお静ですが、だれも見ていない場所で不意に夫の手に救い出されると、矢張り小娘のような心持にならずにはいられなかったのでしょう。
「相手に取っては大事な人質のつもりだ、滅多に殺しはしないよ――ところでこうなっては、お前を一人置くわけにも行くまい。暫らく大家さんのところに頼んで置こうか」
路地の外には家主の吉兵衛が住んでおります。そこへ暫らくお静を預けて、平次はそのまま両国へ。
「あれ、お前さん。そんな形で」
お静が気を揉むのも無理のないことでした。平次が引っかけているのは、下っ引の若松に借りた、七つ下りの浴衣で、頬冠りをして七三に尻を端折ると、あつらえたような自棄な扮装になるのです。
「なアに、おれの装束は、若松が着込んで両国で待っているよ。心配するな」
ポンと飛び出すと、雷鳴は遠退きましたが、雨足は一としきり繁くなって、七つ下がりの浴衣を、未練気もなく洗います。
そこから両国まで、平次は逸散に駆けつけました。相手の構えの立ち直らぬうちに打つべき手は打ちつくして、一気に押しきるつもりだったのです。
「八か」